ほっとコーナー
緊急検査“Time goes by”
二木 敏彦
1
1金沢赤十字病院中央検査部・病理検査係
pp.905
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903903
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強いプレッシャーを感じながらの仕事であるとともに,結果的に技師や検査部の能力を臨床側から試されるのが緊急検査,至急検査,迅速検査と呼ばれるものでしょう.何のトラブルもなく検査結果を報告し終えたときや,患者さんが救命され,臨床の先生からお礼をいわれたときなどは,日常検査とはひと味違った充実感を覚えることも多いものです.ただ,少し興奮気味に報告すると検査依頼医師が見つからなかったり,患者さんが帰宅された後であったりして,“緊急”とは何なのだろうか,と考えさせられることもありますが,皆さんはいかがですか.
さて,私の勤める施設(病床数300床)でも毎日さまざまな緊急検査が提出されています.そしてこれまで,臨床からの問い合わせの多さに閉口してしまうことや,人的過誤が少なからずつきまとう電話による結果報告に,ジレンマを感じていました.しかし昨年,病院の改築に併せて院内LANと臨床検査システムを構築する機会があり,迅速報告システム(検査部サーバーに緊急検査の結果が格納されると,院内LANを通じて各部署のプリンターに自動的に結果が出力されるというものです)が稼働し始めました.すると臨床側にとっては,ディスプレイ検索の必要がない便利さと,前回値とともに必ず報告される確実性などから,検査結果についての問い合わせが激減しました(看護婦さんがこなくなったのが少し残念ですが……).
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