ほっとコーナー
救命救急センターにおける臨床検査
河口 豊
1
,
山本 誠一
1
1川崎医科大学附属病院中央検査部
pp.881
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903893
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当院高度救命救急センターには,重症患者を処置する救急室の隣に約23m2の検査室が設置されており24時間稼働している.臨床検査技師は,救急専属技師として配属された2名が通常勤務を担当し,休日および夜間は日・当直が2名ずつ当番制で勤務につく.ここでは,各種救急患者や入院中の重症患者における緊急手術時や病態の急激な変化に即応するために,血液ガス分析(CO-Hbも含む),電解質,生化学スクリーニング,CBC,尿一般検査,心電図,血液型,交差試験,出血時間,髄液検査,妊娠反応,グラム染色,尿中パラコート定性検査などが共通の緊急検査項目として行われている.また,救急専属の技師は,救急室でなされる一般緊急検査以外に,HPLC法による血中・尿中パラコート定量,TOXI-LAB®システムによる薬物定性分析,高度救命救急センターICU,HCUおよび一般病棟において脳波検査および脳幹聴覚誘発電位(BAEP)とそれらの持続モニター,TCDによる頭蓋内血管の血流速度測定などをルーチン検査として行っている.これらはすべて予約検査ではなく,いつでも対応できるようにしている.
救急室において臨床検査技師は,検査を迅速かつ正確に行うのは当然のことであるが,鑑別診断や救急処置が円滑に行われるように,事前に採血量の確認など検査の準備をしておくことや実施のタイミングを図ることも重要となる.
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