増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
3)Ca,Mg 臨床編
石川 勲
1
1金沢医科大学腎臓内科
pp.694-696
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903825
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Caの異常
1.検査の意義と目的
Caの大部分は骨にあり,血液凝固,細胞膜の透過性,心臓および筋肉の働き,酵素の活性化に関与する.また特にCaは筋・神経の機能と密接に関係するため,値が上昇すると筋弛緩,食欲不振,嘔吐,便秘,無欲・うつ状態,心電図のQT時間短縮,高血圧,腎機能低下,多尿をきたし,逆に値が低下するとテタニー(手足の筋痙縮),クボステーク徴候(頬を叩くと顔画神経幹が刺激され,口輪筋が攣縮する)やトルソー徴候(血圧計のマンシェットで上腕を強く圧迫すると手や指の痙攣性硬直が生ずる)を呈する.したがって,これらの症状が見られたり,活性型ビタミンDと副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)に異常をきたしている可能性があるときには,血清Ca値に異常がないかどうかを調べる必要がある.
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