増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第II章 組織学的検査
2.検体
4)特殊検査
a)免疫組織化学[2]酵素抗体法
鈴木 孝夫
1
,
家泉 桂一
1
,
光谷 俊幸
2
1昭和大学藤が丘病院病理組織化学
2昭和大学藤が丘病院病理科
pp.168-172
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903486
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はじめに
近年,免疫組織化学的手法が急速に進歩し,特異的な抗体を用いることにより,多くの物質(抗原)が組織切片上で検出可能となった.酵素抗体法は,組織に存在する抗原を最終的に酵素反応により可視化させ検出する方法であり,種々の疾患において鑑別・補助診断(表1,図1,2)に用いられている.
酵素抗体法は標識物質として一般的に西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)またはアルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase;ALP)が用いられ,発色は通常,標準物質がHRPの場合はジアミノベンジジン法(通常法の場合,最終産物は茶褐色),ALPの場合はアゾ色素法(用いる色素により異なるが,最終産物は通常赤色または青色)により行う.
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