オピニオン
検体検査管理加算と検査医
清水 章
1
1大阪医科大学病態検査学教室
pp.1010
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903264
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はじめに
1996年4月1日の保険点数改定に当たって,検体検査管理加算が設定され,それから1年経過した.このことは大病院中検に所属する専任常勤医師たちに大きな励みとなり,また一方では重大な試練を課せられたといってよい.これは中検の水準が一定以上であると認められた場合,入院患者1人当たり1か月100点加算するというものである.水準とは,専任の医師が配属されて活動していること,緊急検査項目を常時実施できること,検査の精度管理が適切に実施されていること,などである.細かい運用は各病院の良識ある裁量に任されていると理解している.私たちの病院では1996年2月に加算導入の情報を得てから直ちに準備にかかり,委員会の発足,当直体制による緊急検査の実施,種々の書類の整備などを進めて,ようやく1997年2月から加算が認められるようになった.この保険点数改定の以前より十分に条件が整っていて,早期より加算を請求している病院も多いと聞く.一方,“検体検査管理加算”という言葉さえご存じない検査部責任者もおられると聞いている.
専門医師の任務とは,精度管理をはじめ検査部の管理,臨床医に対して検査の適切な取捨選択を勧告し,コンサルテーションをすることが挙げられている.それによって医療費を抑制できることが期待されていると考えられる.
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