輸血検査メモ
白血球除去フィルター使用後の残存白血球数の測定
関口 定美
1
,
中條 聖子
2
1北海道赤十字血液センター
2北海道赤十字血液センター研究部研究3課
pp.63
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903101
- 有料閲覧
- 文献概要
血液成分製剤中に含まれる白血球はさまざまな輸血副作用の原因の1つであることが知られている1).これらの副作用を予防するために,近年フィルターを用いた白血球除去が広く行われており,高性能フィルターが数多く開発され,フィルター処理後の漏出白血球数が1バッグ当たり105以下の製剤調製が可能となっている1).それに伴い,従来の測定方法ではフィルター処理後の正確な残存白血球数が得られないという問題が生じてきた.製剤中に混入する微量白血球の計数方法の確立は,輸血副作用と輸血白血球数との関係を明らかにするうえで,また高性能フィルターの開発と評価のうえでも重要である.
血液製剤中の微量白血球の測定方法として,筆者らはこれまでに,①サイトスピン法2),②フローサイトメトリー(FCM)法3),③polymerase chain reaction(PCR)法4)を,またこれらに必要な装置の整備されていない施設で測定可能な方法として,④ナジョットチェンバーによる測定法5〜7)を報告してきた(表).各測定方法の長所と短所について以下に概説する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.