検査データを考える
尿亜硝酸塩試験と尿エステラーゼ試験
田部 陽子
1
,
猪狩 淳
1
1順天堂大学医学部臨床病理学
pp.953-956
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902901
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はじめに
尿亜硝酸塩試験と尿エステラーゼ試験は,尿路感染症のスクリーニングテストとして普及している尿試験紙検査法である.尿亜硝酸塩試験は尿中の細菌を,尿エステラーゼ試験は尿中の白血球を検出する.
尿路感染症とは,腎・尿路系の一般細菌による非特異的な炎症であり,尿路感染症の診断には,細菌尿,白血球尿(膿尿)などの尿所見が重要となる.細菌尿や膿尿は,尿細菌数の定量培養検査や尿沈渣検査(尿を遠心してその沈渣を鏡検し,細胞数や白血球数を観察する検査)の結果から決定される.しかし,両者はいずれも簡便性に欠け,特に尿沈渣鏡検はある程度の熟練が必要である.そこで手技が簡単で,すぐに結果を得ることのできる尿試験紙法がスクリーニングテストとして多用されている.
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