増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅶ.抗菌薬の抗菌力試験
8.嫌気性菌の感受性試験
渡邉 邦友
1
1岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設
pp.259-261
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902793
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はじめに
ヒトの皮膚や粘膜に存在する固有細菌叢の中の数十種類の嫌気性菌は,今日臨床で遭遇する全身至る所の感染症で高率に,いわゆる好気性菌とともに潜在性の病原性を発揮している.
嫌気性菌の各種化学療法薬(以後,薬剤と称する)に対する感受性は予言可能で,個々の患者からの分離菌の薬剤感受性試験はいちいち実施しなくても済ますことができるという考えが通用していた時期もあった(?)が,最近の研究により感染巣から分離される嫌気性菌の菌種およびそれらの薬剤感受性も極めて多様であることが明らかとなってきた.適切な部位から適切な採取法で採取されたものであれば,個々の患者の分離菌の薬剤感受性試験を行う必要性が高まったといえる.
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