増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅵ.感染症とその検査法
1.呼吸器感染症 2)下気道感染症
横山 俊伸
1
,
川山 智隆
1
,
本田 順一
1
,
大泉 耕太郎
1
1久留米大学医学部第一内科
pp.85-89
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902748
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気管支炎,気管支肺炎,肺炎,肺化膿症などの下気道感染症は,起因微生物による以外に種々に区分される.すなわち,発症背景より市中感染と院内感染に区分され,また患者の基礎疾患の有無により健常者における肺炎・気管支炎と呼吸器基礎疾患に伴う感染増悪などに大別される.さらに低栄養・低免疫状態にある者における日和見感染症は独立して取り扱われる.このほか特殊な呼吸器感染症として肺結核,気管支結核,非定型抗酸菌症などがある.
上記の各条件下に発症した呼吸器感染症には,いずれも起因微生物に一定の傾向がある.したがって治療に際し,起因微生物が確定していない時点では,これを念頭に置いた治療,すなわちempiric therapyにより対処することが可能である.
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