技術講座 生理
超音波による肝臓の血流イメージング法
杤尾 人司
1
,
岩崎 信広
1
,
濵田 一美
1
,
濵田 充生
1
,
簑輪 和士
1
,
田村 周二
1
,
會我 登志子
1
,
森本 義人
1
,
冨田 周介
2
Hitoshi TOCHIO
1
1神戸市立中央市民病院臨床病理科腹部超音波室
2神戸市立中央市民病院消化器センター内科
pp.201-210
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902638
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新しい知見
近年,装置の進歩により低流速血流の検出感度が向上したため,循環器領域にしか使用されていなかったカラードプラ法が腹部消化器領域に導入された.カラードプラ法により非侵襲的に肝内の動脈や門脈血流,さらに,血管造影では観察できない肝内の静脈系血流の観察も可能となった.
また,CO2などの超音波用造影剤を肝動脈内に留置したカテーテルより注入し,CO2の流れ,すなわち血流そのものを超音波の断層画像で観察するという,超音波血管造影法〔ultrasound(US)angiography〕が登場し,血管造影では小さいために検出されず評価できなかった腫瘍血流の多寡や,腫瘍内の血管構築が鮮明に描出できるようになり,血流情報に基づいた正確な腫瘍の質的診断が可能となっている.
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