心病む人とともに 精神科病棟での日日・5
大きな鍵の束
三宅 富貴子
1
1東春病院看護部
pp.562-563
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922953
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研修会
厳しいながでの楽しい交流
昭和49年7月,精神科看護研修会に参加する機会を得た.その年の東京は冷夏で雨が多く,宿舎の日本看護協会会館では,7月だというのに厚い布団さえ気にならない日があった.全国各地から精神科看護に関係する看護婦・保健婦ら40数名が集まり,それぞれの施設あるいは個人の持つ問題の提起と討論,そして専門家の講義,施設見学等のスケジュールが組まれていた.その昔の講習会といえば,講師の話を拝聴しメモをとるというのが常であったが,当節そんなわけにはいかない.自らの問題提起とグループ討議がほとんどで,1か月間臨床を離れてのんびり東京見物を—と腹の底でタカをくくっていたのは間違いであった.明けても暮れても看護,患者,受容,共感,意見の付き合わせの繰り返し.グループでひとつのことをまとめる難しさをイヤというほど味わった.
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