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脳磁計による脳機能検査
中里 信和
1
1広南病院脳神経外科
pp.908-909
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902145
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脳から発生する微弱な磁界を測定するのが脳磁図(magnetoencephalography;MEG)で,脳波と異なり頭蓋骨などによるゆがみが少なく,脳の興奮部位が高精度で推定できるのが特徴である.MEG信号は超微弱であり,SQUIDと呼ばれるセンサーで初めて測定できる.SQUIDは超伝導状態で作動するため液体ヘリウム内に置かれるが,MEG測定ではこのヘリウム容器の底に頭部を近づけるだけで非侵襲的に行われる.その際,微弱なMEGに比べてはるかに強い外部磁気雑音を遮断するため特殊な磁気シールド室が必要で,さらに誘発反応の刺激装置には磁気雑音の小さなものが有利である.MEGによって,脳波と同様に自発脳活動や誘発反応が測定可能である1)が,最近ヘルメット型に頭全体を一度に計測する脳磁計が登場し,臨床応用が飛躍的に進歩した(図).
MEGの結果は,信号波形や磁界分布のみから解釈されるだけではなく,その最大の特徴を生かして脳内の信号源を推定し,その位置をMRIなどの解剖画像上に表示して初めて臨床に役だつ.そのために用いるのが電流双極子モデルであり,MEGの実測値を説明するのに適した1ないし数個の微小な電流素片の位置と方向をコンピュータを用いて計算する.
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