技術講座 生化学
ポルフィリンの検査法
近藤 雅雄
1
1国立公衆衛生院栄養生化学部
pp.411-418
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902015
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サマリー
ポルフイリンの検査は稀疾患とされている遺伝性ポルフィリン症の確定診断や鉛作業者の職業病検診に不可欠であるが,その方法はいまだに実用的でない有機溶媒抽出法が主流である.これら古典的なポルフィリン検査法はポルフィリン症診断を停滞させている原因となっているが,スクリーニングテストを目的とした簡便法はいまだに有用である.
近年の高速液体クロマトグラフィー法(HPLC)の急速な進歩,普及によりポルフィリン検査も大きく変容した.HPLC法は臨床材料からのポルフィリン分析には最も優れた,理想的な方法であり,カラムと蛍光検出器があればHPLCの機種を問わずポルフィリン測定が可能である.ここでは,HPLCの自動分析法を中心に解説した.
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