増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅹ.輸血
5.HLA検査(抗白血球抗体を含む)
宮本 正樹
1
,
十字 猛夫
2
1日本赤字社中央血液センター研究部
2日本赤字社中央血液センター
pp.335-339
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901988
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
HLA(ヒト白血球抗原)検査は,臓器移植や血小板輸血などにおいて患者とドナー間の適合性を判断するうえで必要不可欠な検査となっている.特殊な治療を除いて白血球は輸血に必要がない.白血球を含む血液を輸血すると,HLA抗体を産生する患者が輸血の量・回数とともに増えてくる.60〜90%の患者がHLA抗体を造ると報告されている.血液の中では,赤血球以外の血球表面にHLA抗原が存在する.したがって,HLA抗体ができた患者に血小板を輸血しても,抗体により直ちに血小板が壊されてしまうので,輸血効果が上がらない.このような場合には,患者のHLA抗体を調べ,その抗体と反応しないHLA型の血小板を輸血しなければならない.本稿では,抗血清を用いた血清学的手法によるHLA抗原とHLA抗体の検査法について述べる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.