マスターしよう検査技術
エッペンドルフ型マイクロピペットの使いかた
柳澤 勉
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.51-59
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901780
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はじめに
臨床化学分析をはじめ,臨床検査では種々の液体の生体試料を定量的に採取することが多い.この際,試料間で相互の汚染もなく衛生的に扱うことができて,容量が正確に,かつ再現性よく迅速に採取できる器具として,押しボタン式マイクロピペットがよく用いられる.気密なシリンダー内をピストンあるいはプランジャーが移動するのに伴ってシリンダーの空気も出入りするので,これにより器具先端部のチップから試料溶液を吸引,吐出するものである.このタイプのピペットには採取容量が固定式のものや,複数の容量を選択できるもののほか,ある範囲の容量を連続的に採取できる可変方式のものなどがある(0.5〜2,500μlの間で各種容量サイズがある).また,試料の吸引,吐出をモーターで操作する電動式のピペットも作られるようになった.
今回は,手で操作する押しボタン式マイクロピペットの使いかたを紹介する.この型のものはエッペンドルフピペットをはじめ,ピペットマン,フィンピペット,オックスフォードマイクロピペット,その他,多くのメーカーから出されているが,主にエッペンドルフピペットで解説する.基本的な操作は各マイクロピペットに共通である.
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