技術講座 血液
血小板放出能
尾崎 由基男
1
,
矢冨 裕
1
1山梨医科大学臨床検査医学講座
pp.1075-1079
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サマリー
血小板には,濃染顆粒,α顆粒などの顆粒成分があり,刺激に応じて顆粒内容を放出する.濃染顆粒には,ADP,セロトニンなどが含まれ,またα顆粒には,β-トロンボグロブリンや種々の成長因子が含まれる.これらの物質が,血小板外へ放出される程度を測定するのが血小板放出能であり,血小板凝集能測定とともに,血小板機能を評価するうえで重要な検査である.血小板機能低下が疑われる症例で,刺激による顆粒内容放出能を検討する場合,濃染顆粒内容放出を測定することが多い.種々の血栓性疾患などにおける生体内の血小板活性化を評価するには,α顆粒内容が適している.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.