検査法の基礎
病理組織における画像解析
高橋 徹
1
,
手塚 文明
1
1東北大学抗酸菌病研究所病理学研究部門
pp.973-979
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901314
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サマリー
病理組織像・細胞像の自動診断はいまだに実現にほど遠いが,その理由について考えたい.形態診を自動化するにも,組織や細胞の形を数量化して解析を加えるにも,まず顕微鏡像をディジタル化してコンピュータに入力し,次に入力した画像から必要な対象,例えば細胞の核なら核だけを二値化画像の形で取り出して,輪郭を定義するというステップを踏む.しかし,顕微鏡像から必要な対象だけを取り出すことは現在の画像処理技術では困難であり,この点が未解決であるために形態診断の自動化が実現しないのである.しかしそれでは形態学の研究にコンピュータは無用かというとそうではない.自動診断とは別の面でコンピュータを利用できる面はいろいろあるのであって,そのような利用法について解説した.
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