資料
尿沈渣検査の標準化—日本臨床衛生検査技師会 尿沈渣検査法
青木 千鶴
1,2
1医療法人誠心会吉田病院検査部
2日本臨床衛生検査技師会一般検査研究班
pp.326-327
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901167
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尿沈渣にみられる有形成分の種類とその出現量を正確に精度よく把握することは,腎および尿路系の病変を知るうえできわめて有用であり,いわゆるスクリーニング検査として広く用いられている.しかしながら標本作製の手技,有形成分の分類法とその成績の記載法などは各施設がさまざまで,経験年数と技術の違いなどにもより技師間,施設間差が大きく,精度の向上を期して手法の統一化が求められてきた.
社団法人日本臨床衛生検査技師会一般検査研究班では,長年にわたり各種学会,研修会で論議を重ね研鑽に努めた.また,総合臨床検査精度管理事業の一環として,標準化部会へ尿沈渣標準法を提案した.その内容は,尿沈渣の標本作製法,尿沈渣成分の分類法,尿沈渣成績の記載法の3項に分かれている.初心者にも十分理解でき,施設の規模にかかわらず取り入れられる検査法の作成を目的に,今まで積み重ねられた技術の研鑽と標準化部会における討論をもとに,臨床病理学会をはじめ腎臓病学会,泌尿器科学会,小児科学会に指導とテキストの監修をお願いし,日臨技標準化事業として「日臨技尿沈渣検査法」をまとめた.その主な内容を以下に順次述べる.
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