増刊号 尿検査法
II.各論
23.微生物検査
2)尿路感染症の検査法
(3)培養法—b.特殊な微生物
設楽 政次
1
,
佐野 純子
2
1立正佼成会附属佼成病院臨床検査科
2東京都済生会中央病院臨床検査科
pp.278-281
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901151
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尿から検出される菌種は尿路感染症が単純性か複雑性かにより異なるが,グラム陰性桿菌では大腸菌,Klebsiella,Enterobacter,Proteusなどの腸内細菌や,Pseudomonas aeruginosaをはじめとするグルコース非発酵菌,グラム陽性球菌ではコアグラーゼ陰性ブドウ球菌,Enterococcus,真菌ではCandida albicansが検出されることが多い.これらの菌種は血液寒天培地,BTB培地またはCLED培地に好気培養で発育するため,日常細菌検査では多くの場合これらの培地が使用されている.また簡易培養法の一種であるディップスライド法もこれらの菌種を対象とした培地を組み合わせて使用している.
しかし,これらの培養条件で発育しないMycobacterium tuberculosisをはじめとする抗酸菌,嫌気性菌,Salmonella,Leptospiraや性感染症(STD)の原因菌であるNeisseria gonorrhoeae,Haemophilus,Gardnerella vaginalis,Mycoplasma,Ureaplasma urealyticum,Trichomonas vaginalis,Chlamydia trachomatis,Herpesvirus,Cytomegalovirusなども尿から検出される場合がある.
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