技術講座 血液
フローサイトメトリーによる顆粒球機能検査
鎌倉 正英
1
,
浜渦 俊和
1
,
河野 純一
2
1帝京大学医学部第一内科
2帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.731-736
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900777
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サマリー
顆粒球は,生体に侵入した微生物を貪食,殺菌することにより生体防御の第一線に立っている.それらの機能を詳細に検索することは,ほかの免疫機能検査とともに種々の疾患患者の生命予後を知るうえにも重要である.これまで,いろいろな貪食,殺菌能検査法が開発されてきたが,それらのほとんどが操作が繁雑であるためにある程度の熟練を必要とすること,および白血球分離をはじめとする種々の人為的操作を必要とするために,それに伴う細胞のダメージが避けることのできない問題であった.しかし最近,フローサイトメトリーの開発が進み,微量の全血で,しかも複雑な操作を必要とせず,大量の,目的とする細胞の機能を短時間に測定することが可能になった.
本稿では,筆者らが現在行っているフローサイトメトリーを用いた顆粒球の貪食能,活性酸素産生能(殺菌能)の測定法とその結果の解析について述べる.
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