マスターしよう検査技術
PORETEC法(フィルター)による液状検体の集細胞塗抹標本作製法
平田 守男
1
,
古田 則行
1
1癌研究会附属病院細胞診断部
pp.621-626
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900755
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はじめに
液状検体から塗抹標本を作製する際に最も留意することは,ひとつは,固定染色過程における細胞の剥離遊出であり,もうひとつは,微量検体,細胞成分が少ない検体に対する集細胞法の応用である.一般的に集細胞効果が最も高いのはフィルター濾過法であるが,従来からの方法は,手技の煩雑さ,フィルターの穴(pore)が検鏡の際に非常に妨げになること,などから実際に用いられることが少ないのが現状である.今回開発されたPORETECはそれらの欠点を解消したもので,操作は簡単,集細胞力はさらに高く,0.5mlぐらいの微量検体にも適応ができ,ギムザ染色,PAS染色など特殊染色も可能である.
以下にその手法を述べるが,まず順序として一般的手法(図1)を示す.
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