けんさアラカルト
検査技師と資格試験
松本 佶也
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.446
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900601
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最近,人手不足で倒産する中小企業や,働きに来た外国人を雇って問題を起こす事業所も出てきた.看護婦も外国人を雇おうとしている.こうした人手不足が深刻な状況の中で,フリーアルバイターといわれる人たちが,一種の職業人として認知され,呼び名を得ている.これらの人たちは,それなりの資質や技能を持っており,利用する側の需要にこたえられるところがあるのであろうから,その人の生活サイクルの中で,自由に働く時と職種を選択できる.特にその人に特技や公的資格があれば,セールスポイントとなる.わが国も資格社会で,さまざまな種類の技術や技芸に認定や証明の「書き付け」(免許状など)を与え,その呼称や書状をみると,社会一般で一定の技能水準を示すものとして納得し評価の基準としている.
国家試験資格試験のガイド書の中で,医療と保健衛生に関連する資格名を数えてみると,医師や看護婦,臨床検査技師をはじめとしてメディカル秘書士など,おおよそ65種の資格名が挙げられている.いま国会審議にかかっている救急救命士や介護福祉士など(先の資格名の数にはまだ入っていない)は,国民の医療と密着した現場での必要性,そして作業に携わる人たちの技術水準や責任と義務の範囲,その養成と待遇などを整備せざるを得ない情勢になってきたからにほかならない.
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