技術講座 輸血
輸血用血液からの白血球除去法とその意義
大坂 顯通
1
,
湯浅 晋治
1
1順天堂大学医学部輸血学研究室
pp.33-36
発行日 1991年1月1日
Published Date 1991/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900488
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サマリー
血液センターから供給されている血液製剤中には多量の白血球が混入しており,輸血副作用の多くはこの混入白血球に起因すると考えられている.即時型輸血副作用である非溶血性発熱反応は,白血球をある程度除去した製剤を用いれば防ぐことが可能である.遅発性輸血副作用である同種免疫反応および移植片対宿主病(GVHD)に関しては,極めて少ないリンパ球の混入が問題となる.近年,第三世代の吸着フィルターが開発され,高率に白血球除去が可能となったが,なおバッグ内には107個程度の白血球が残存している.現在のところ,輸血後GVHDの防止には白血球除去フィルターを用いるだけでは不十分であり,放射線照射をすることが必要である.
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