増刊号 血液・尿以外の体液検査法
資料
HPLCによる母乳中脂肪酸の分析法
奥村 一忠
1
,
足立 恵子
1
1名古屋大学医療技術短期大学部
pp.894-896
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900270
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はじめに
母乳中の脂質の大部分はグリセリドで,残りの数%がリン脂質,コレステロールといわれている1).したがって,脂肪酸はほとんどグリセリド中にエステル型としてあり,ほかに遊離の脂肪酸がわずかに存在するのみである.通常のアルカリ加水分解(ケン化)をして総脂肪酸として測定する場合は両者の合計となり,遊離脂肪酸のみの際は直接母乳から抽出する.
筆者らの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による母乳の脂肪酸分析法3)は,血清での蛍光ラベル化法を応用した4).ラベル化剤は9-anthryldiazomethane(ADAM)で,二村らにより開発されたものである4).
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