今月の主題 臨床化学とHPLC
巻頭言
臨床化学とHPLC
片山 善章
1
Yoshiaki KATAYAMA
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.1235-1236
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903153
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臨床化学領域における分離分析は,各種電気泳動法,ガス液体クロマトグラフィー(GC)法,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法などが挙げられる.電気泳動法は古くから,最も広く普及してきた技術であり,現在でも遺伝子診断検査には必須の技術である.GC法は尿中ステロイドホルモン,尿中カテコラミン,血中脂肪酸などの分離分画に利用されてきたが,蛋白の分離分画には適していないことは周知のとおりである.それに対してHPLC法は脂溶性および水溶性のいずれの物質についても分離分析が可能な技術としての特徴がある.いずれにせよこれらの分離分析法が臨床化学領域に用いられているのは,臨床検査診断における病態解明を目的とする場合が主流であるが,最近では成分によっては分離分析による日常検査を行うことが要求され,特にHPLC法はヘモグロビンA1c(HbA1c),グリコアルブミン(GA),血中・尿中カテコラミンの測定に利用されている.
このようにHPLC法が日常検査にまで普及してきた背景にはHPLCのハード,ソフト面の大きな進歩・発展は見逃せない.
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