増刊号 血液・尿以外の体液検査法
15 腹水
A.総論
与芝 真
1
1昭和大学藤が丘病院内科
pp.739-742
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900213
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はじめに
腹水は,肝,胆,膵をはじめとする多くの腹部臓器の疾患の際にしばしばみられる重要な症候の一つである.それのみならず,ネフローゼ,うっ血性心不全,上大静脈塞栓など,必ずしも腹部臓器でない他臓器疾患の際にも腹水貯留はみられるので,腹水患者を診る場合には,常にそのような総合的な視点を持つことが要求される.また,腹水をきたした原疾患の診断に腹水の性状の分析が有用だが,この際も必ずしもそれだけで明確に鑑別することは不可能であり,やはり,腹水を起こす疾患についての十分な知識を持つことと,総合的に考えて鑑別する能力が必要である.
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