増刊号 血液・尿以外の体液検査法
13 関節液
C.生化学検査
阿部 重人
1
1宮城野病院リハビリテーションセンター
pp.709-711
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900205
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はじめに
関節穿刺を行ったり,関節液の検査結果を解釈したりする能力は,リウマチ学のトレーニングプログラムに不可欠なものと考えられている.しかし実際には検査件数はそれほど多くなく,病院の検査室当たり1か月に3.9件というものが最も多い頻度で,平均すると1か月に1.5件であった(医学部附属病院では1か月当たり10〜30件の検査がある).
検査項目の中で日常的に行われているものは,頻度の高いものから白血球数,赤血球数,白血球分画,Gram染色,ムチン塊(mucin clot),偏光顕微鏡による結晶の同定,細菌培養,蛋白・ブドウ糖・粘度の測定などである.LDHやその他の酵素活性が測定されることは非常にまれであり,約20%の病院検査室はまったく行っていない1).実際,関節液の検査の中で診断的価値の高いものは,細菌検査と結晶の同定であり,そのほかの検査はまったく補助診断的な検査である.
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