増刊号 血液・尿以外の体液検査法
18 嚢胞
C.生化学検査
久保 信彦
1
,
熊坂 一成
1
1日本大学医学部臨床病理学教室
pp.785-786
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900230
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はじめに
近年,超音波診断やCTなどの画像診断の発達に伴い,嚢胞は全身の各臓器において比較的容易に発見され,診断されるようになった.発見頻度の増加ほど生化学的検索の依頼件数の増加をみない理由には,多くの場合,小さな嚢胞は放置しても生命予後に大きな影響を及ぼさないこと,画像診断的に良性,悪性の鑑別がかなりのところまで可能になったことに伴って,穿刺検査自体の意義に変遷のあること,などが挙げられる.しかし,由来不明の嚢胞の内容物の生化学的性状が,その由来臓器の判定に補助的な意味をもっ場合もあり,どのような検索が行われるかなどの一般的知識は必要である.
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