増刊号 血液・尿以外の体液検査法
10 前立腺液
B.一般検査
町田 豊平
1
,
池本 庸
2
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
2東京慈恵会医科大学泌尿器科教室
pp.661-662
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900191
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前立腺液の一般性状
正常の前立腺液は白濁した粘稠な水様液で,中性またはアルカリ性である.鏡検により多数の上皮細胞,少量のレシチン顆粒(レシチン小体,リポイド小体とも呼ばれる)殿粉様小体(層状をなす上皮細胞由来の物質)などがみられる.生化学的検討では,前立腺液にはクエン酸,亜鉛,リン化合物,アミノ酸,プロスタグランディンなどが含まれる.精嚢腺液中には多い果糖はまったく含まれない.またヒト精液の特有の臭気は,前立腺液中のスペルミンという物質によるといわれる1).
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