増刊号 血液・尿以外の体液検査法
8 胆汁
B.一般検査
竹田 喜信
1
1大阪医科大学第2内科
pp.624-629
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900181
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胆汁の採取法と胆汁の性状
胆汁採取法として十二指腸ゾンデを用い,硫酸マグネシウムのゾンデ内注入やセルレインの筋注などによって胆嚢を収縮させた後,十二指腸液として吸引採取する方法が従来から行われてきた.
しかし,この方法は胆嚢の収縮や濃縮などを含めた胆道系の機能面での異常をある程度判定できるものの,採取試料は口腔や咽頭内の常在菌の混入が避けられず,また胆汁のみならず膵液も混入した十二指腸液であり,胆道疾患の急性期での検査適応もないこともあって,現在ではあまり利用されなくなっている.ところが最近,体外衝撃波による胆嚢結石破砕療法(ESWL)が行われるようになり,胆石破砕片の形態や排出状況を知るためや,経口胆石溶解療法の適応症に対する本法の応用など胆道の機能不全の診断のみならず,採取胆汁の内容物の分析手段としても必要な検査方法としての期待が持てる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.