技術講座 一般
糞便中キモトリプシン活性の測定法
鈴木 仁
1
,
北田 増和
1
,
渡辺 伸一郎
2
,
竹内 正
2
1東京女子医科大学臨床中央検査部
2東京女子医科大学消化器内科
pp.359-363
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900096
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サマリー
糞便中キモトリプシン活性(FCA)の測定法とその意義について述べた.健常人46例のFCAは42.4±30.7(Mean±1SD)U/gで,正常下限値は12U/gと設定した.各種疾患別のFCAは,慢性膵炎I群および膵癌では平均値で健常人に比して有意な低値を示した.またFCAは,パンクレオザイミン・セクレチンテストの判定因子である最高重炭酸塩濃度,総アミラーゼ排出量および液量と有意な相関性を示した.膵外分泌機能障害の程度が中等度から高度例でFCAの著しい低下が認められた.以上からFCAは簡便で精度もよく,膵外分泌機能障害のスクリーニングテストとして有用であると考える.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.