検査法の基礎
尿蛋白分画
渡辺 信子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.215-218
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900061
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サマリー
尿蛋白の電気泳動法は高感度で定量性の高い染色法が開発され,特殊な装置を使わなくても,セルロースアセテート膜を使用して実施できる.染色時間5分で脱色操作も精製水で行う簡易な方法であり,再現性も良好である.蛋白濃度が50mg/dlであれば,染色後,デンシトメトリーが可能である.尿蛋白の電気泳動によって尿中に含まれる蛋白の種類,アルブミンとグロブリンの分画比,異常蛋白の有無など,病気の診断や経過観察に利用できる.腎糸球体の障害,腎尿細管の障害,尿路疾患などで特徴的な泳動像がみられる.免疫グロブリンのモノクローナル蛋白やBence Jones蛋白の検出にも有効な方法である.
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