FOCUS
敗血症の病態理解と新規標的分子
新貝 茜
1
,
伊藤 隆史
1
1熊本大学大学院生命科学研究部血液免疫病態解析学講座
pp.1216-1218
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209499
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「敗血症診療ガイドライン2024」において,敗血症は“感染症に対する生体反応が調節不能な状態となり,重篤な臓器障害が引き起こされる状態”と定義されている1).また,敗血症の中でも,急性循環不全により細胞障害・代謝異常が重度となって死亡の危険性が高まった状態は“敗血症性ショック”と呼ばれ,死亡率は約3割にも及ぶ.敗血症患者の生命を奪っているのは,多くの場合,微生物そのものではなく,微生物を排除しようとする生体反応である.調節不能な生体反応が,致死的臓器障害に結びついているのである.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.