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あとがき・次号予告
平石 直己
pp.656
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209355
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先日,ベンチャー企業が開発した小型ロケットの初号機が和歌山県の串本町にあるロケットの発射場から打ち上げられたものの,直後に何らかのトラブルに見舞われて機体に備えた装置が作動し,ロケットが爆発して打ち上げは「失敗」と報道されていました.この措置はロケットの飛行経路や速度,それに内部の機器などの異常を検知すると,搭載された火薬などを使ってロケット側でみずから機体を破壊し飛行を中断するものだそうです.詳しい原因が分かっていないようですが,人的被害や一般の設備への被害も出ておらず,安全装置として適切に作動したようです.
このベンチャー企業の社長さんはその後の記者会見において,「失敗という言葉は使わない」と強調していました.打ち上がることには失敗したかもしれませんが,機体は安全装置が正常に作動したわけなので全てが失敗だったとは決めつけられません.一つ一つの試みの中に新しいデータ,経験があり,全てが新しい挑戦の糧にとなり,諦めずに前に進むことも強調されていました.
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