FOCUS
NAFLD診断・治療へのアプローチ—検査はこのように利用されている
角田 圭雄
1
,
石破 博
2
,
藤井 英樹
3
1国際医療福祉大学大学院医療福祉経営学専攻
2大阪鉄道病院消化器内科
3大阪公立大学医学部肝胆膵内科学
pp.420-423
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209292
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はじめに
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は世界で成人の25%が罹患し1),国内には約2,200万人の患者が存在すると推定される.近年の米国のメタ解析や前向き試験では,NAFLDの予後に寄与する因子として,肝線維化が最重要であることが示された.国内において肝生検で診断された1,398例を対象としたCLIONE-ASIA試験2)においても,肝線維化が肝疾患関連イベント(liver related event:LRE)(腹水,脳症,肝発癌,静脈瘤破裂)に寄与する因子であった(表1)2).高度肝線維化例を見逃すことなく肝臓専門医へ紹介し,早期治療や肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)のサーベイランスにつなげることが重要である.一方,NAFLDの死因は,米国では心血管イベント,他臓器癌,肝疾患関連死(liver related mortality:LRM)の順であり,NAFLD診療では非肝疾患関連死にも注意を払う必要がある.本稿では,NAFLDの診断および治療における臨床検査の役割について概説する.
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