増大号 POCUSの決め手。 早く、正確な診断のために
4章 症状別検査の進め方
外傷の全身評価
伊禮 裕人
1
,
瀬良 誠
1
1福井県立病院救命救急センター
キーワード:
外傷
,
E-FAST
,
ショック
Keyword:
外傷
,
E-FAST
,
ショック
pp.321-327
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209275
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はじめに—症例提示
24歳,男性.バイク走行中に大型トラックと接触し受傷,バイクから数m離れた場所まで飛ばされていたとのこと.救急隊接触時のバイタルサインは意識JCS1-1,脈拍100回/分,血圧110/73mmHg,呼吸数30回/分,SpO2 95%(室内気)であった.E-FAST(extended focused assessment with sonography in trauma)は陰性,血液検査を行った後に全身のCT検査を実施した.CT検査で右多発肋骨骨折,右肺尖部に軽度の気胸,右肺挫傷,右橈骨遠位端骨折の診断となった.いずれも保存加療の方針で胸部外科,整形外科へ入院を相談し,準備を進めている.
上記は,外傷診療ではよくみる光景であろう.上述したE-FASTとは,外傷診療で用いる超音波検査技法のことである.ここではその内容について解説し,実臨床でどのように活用するかを例示していく.
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