書評
がん化学療法レジメン管理マニュアル 第4版
池田 龍二
1
1宮崎大病院・薬剤部
pp.1193
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209139
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
がん薬物療法にかかわる薬剤師にお薦めの一冊
2040年の医療提供体制への展望の中でわが国は,「より質が高く安全で効率的な医療を,国民がどこに住んでいても最適な形で享受できる社会を構築する」ことを掲げた.そのビジョンを実現するため,医師・医療従事者のタスク・シフティング(シェアリング)などの働き方改革や医療DXを活用するとともに,患者参加型のチーム医療や地域医療連携を推進する潮流は一層大きなものになっている.
2023(令和5)年3月28日には,がん対策推進基本計画(第4期)が閣議決定され,「誰一人取り残さないがん対策を推進し,全ての国民とがんの克服を目指す」ことが,わが国の目標となった.患者への適切な医療提供体制を拡充し,「がん生存率の向上」「がん死亡率の減少」「全てのがん患者及びその家族等の療養生活の質の向上」をめざすことが示されたのである.その際,がん治療(手術療法・放射線療法・化学療法)の柱の一つであるがん化学療法に精通した人材の育成が重要なことは論をまたない.また,薬剤師に引き付けていえば,多様化・複雑化するがん治療において,薬剤師の責務は治療中のレジメンや患者の副作用を適切にマネジメントして,有効で安全な薬物療法を実践していくことである.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.