FOCUS
後天性von Willebrand症候群の臨床検査
日笠 聡
1
1兵庫医科大学血液内科
pp.52-55
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208875
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はじめに
後天性von Willebrand症候群(acquired von Willebrand syndrome:aVWS)は,さまざまな基礎疾患や薬剤により,二次的にvon Willebrand因子(von Willebrand factor:VWF)の活性が低下し,出血症状を呈する症候群である.出血症状は皮下出血や粘膜出血が多いが,検査異常のみで症状を認めない場合もある1,2).
本疾患の頻度は正確には不明だが,Buddeら3)は,1施設で収集された5,014検体中187検体(3.7%)が,Tiedeら4)は1,500検体中35検体(2.3%)がaVWSであったと報告している.これらの報告から,種々の基礎疾患をもつ患者にaVWSが合併する頻度は比較的高いと考えられるが,症状が軽微な症例が多いために,未診断例が多いと推測される.
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