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あとがき・次号予告
大楠 清文
pp.664
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208035
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この「あとがき」を4月2日に書いておりますが,世界的な新型コロナウイルス感染症患者の爆発的増加によって,東京オリンピック開催の延期が決定し,行動制限や不要不急の外出自粛要請が出され,医療崩壊も懸念されています.本号がお手元に届く頃には,終息に向かっていることを心より願っています.
さて,本号には「第66回臨床検査技師国家試験」の解答と解説が掲載されています.3月23日の合格発表によれば,新卒は3,940名受験して3,273名の合格で,合格率83.1%は昨年よりも3.4%低下しました.既卒を含めると3,472名の合格,合格率71.5%でした.合格された皆さまは4月から臨床検査技師として,先輩に教わりながら日常業務の修得に日々努力されている頃だと思います.「患者診療に貢献したい」との「志」をもった技師は,患者さんに感謝される機会が増えます.お金をもらうためにする“仕事”と,患者さんに役立つためにする“志事”とでは,明らかに違いが出てきます.逆にいえば,日常検査に「しあわせ」や充実感を得られない原因は,仕事を作業として行い,志を見いだして働けていない自分自身にもあるということなのです(近藤悦康氏の書籍「はたらくを、しあわせに。」から一部改変).「目の前の検体が,自分の一番大切な人から採取されたものだったら……」あるいは「目の前の患者さんが,自分の一番大切な人だったら……」との初心を忘れず,臨床検査技師の仕事に信念と誇りをもち,人生を楽しんでもらえればと願っています.
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