臨床医からの質問に答える
尿比重について試験紙法と機械法(屈折計法)の違いを教えてください.
服部 亮輔
1
1日本大学病院臨床検査部
pp.466-468
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208662
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はじめに
尿比重は尿中に溶けている溶質の濃度を表し,尿浸透圧は尿中のイオン濃度の指標として利用されています.尿は塩類・尿素を主成分とする混合液であり,病的尿では蛋白やブドウ糖なども含有されますが,尿浸透圧と尿比重は一般的には相関関係にあります.いずれも尿量を反映し,尿量が多ければ尿浸透圧や尿比重は低値になり,少なくなれば高値になります(例外的に糖尿病では,多尿・高比重となる).尿の希釈・濃縮力の評価には,イオン濃度に比例する尿浸透圧が最適ですが,測定方法が簡便で,専用の分析装置を必要としない尿比重が代用される傾向にあります.
現在,尿比重の測定法は,①化学的比重測定法を原理とする“試験紙法”と,②“機械法(屈折計法)”が多く用いられています.
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