連載 帰ってきた やなさん。・20
3年……かかりました(涙)
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学病院臨床検査科ゲノム検査室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.711
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208422
- 有料閲覧
- 文献概要
東京に来る前から入学が決まっていた大学院の修士課程.ようやく修了いたしました! 3年かかりました.え?3年?……そうです.3年です.“1回目”の1年生前期は順調だったのですよ.その後,がんゲノム医療が国内で始まり,仕事量と難易度がUPし,仕事のやりがいを感じまして,仕事に没頭し,仕事の後に授業に出るのが難しくなったのです(←言い訳にしか聞こえない).そんなとき,学生課からお呼び出しが…….
かな〜り,久々に学校を訪れ,学生課へ.すると,窓口で若い男性2人がじっとりとした視線で柳田を見ていた.1人が口を開いた.「あのぉ,あなたねぇ.ヤル気,あるんですかねぇ〜?えぇ〜?」と.こんなじっとりとした口調で怒られたのは生まれて初めてだったので,しばらく呆然としていた.「ヤル気の有無と,“授業に出席できるか”は,別問題だろぉ!ヤル気あるわ!」と心で叫びながら,うつむいて「申し訳ありません……」と消え入る声で謝った.そうして,柳田は“留年”(涙).そして,入学して1年経つのに,この日初めて研究室へ行き,教授に「留年します」と報告した.教授は笑っていた.研究室の方々は「初めて顔見た! 君が噂の“幻の院生”か!」,「修士課程で,留年する人っているんだ……」と,いろんな驚きのお言葉を頂戴した.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.