増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
グラム陰性桿菌
緑膿菌—Pseudomonas aeruginosa
上地 幸平
1
1琉球大学病院検査・輸血部
pp.323-325
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208307
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Summary
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は主に湿潤環境に分布し,医療関連感染や日和見感染における重要な菌種の1つである.本菌は特徴的な集落性状(金属様光沢)を示すことから比較的容易に同定可能である.P. aeruginosaはさまざまな抗菌薬に耐性を示し,その耐性機序として,β-ラクタマーゼなどの酵素産生や外膜蛋白の変異・欠損,薬剤排出ポンプの機能亢進などが知られている.本菌のなかでも,多剤耐性株やβ-ラクタム系抗菌薬耐性を示すIMP型などのメタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生株は院内感染対策上,特に重要である.本稿ではP. aeruginosaの細菌学的特徴や培養・同定のポイントなどを概説する.
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