トピックス
酸化型アルブミン(HNA)測定法の臨床応用
安川 恵子
1
,
矢冨 裕
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.94-98
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208251
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酸化ストレスと酸化型アルブミン
酸化ストレスは癌,動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病,老化など,多くの疾患と関連していると考えられ多くの報告がなされているが,実用的なバイオマーカーは現在のところ存在しない.一方,アルブミンは血液のみならず,リンパ,唾液,涙など,体内に広く存在し,血管内プールが約40%,血管外プールが約60%である.そのため,アルブミンの糖化や酸化は体全体の糖化や酸化の状態を反映すると考えられる.
図1にヒトアルブミンの糖化部位と酸化部位を示す.アルブミン分子においては,主として4カ所のリジン(lysine:Lys)が糖化され,Cys(cysteine)34が酸化される.アルブミン分子中には35個のCysが存在するが,このうち34個のCysは分子内近隣のCysと17対のジスルフィド結合を形成し,Cys34のみが分子内でのジスルフィド結合に関与せず単独で存在している.
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