増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
Ⅲ 採血手技と検査値
駆血および採血手技が検査に与える影響
清宮 正徳
1
1国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科
pp.239-242
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207913
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はじめに
採血前に血管を膨らませる目的で駆血帯を装着するが,この影響についてはあまり注目されていない.米国の採血ガイドラインでは,採血針を穿刺して血液流入を確認後,直ちに駆血帯を外すよう指示があるが,日本の標準採血法ガイドライン(GP4-A3)(以下,ガイドライン)1)では駆血したままの採血を認めている.この理由は明確には記されていないが,諸外国に比べ日本での採血本数が多いことが背景にあると考えられる.ガイドラインでは駆血後1分以内であれば影響は軽微としているが,実際には1分以上かかることも少なくない.また駆血帯を装着したまま手を強く握らせると,カリウムや乳酸が容易に偽高値となる.本稿では,駆血帯装着時の注意点や駆血や採血手技が与える臨床検査値への影響についてまとめる.
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