臨床検査のピットフォール
複合筋活動電位(CMAP)振幅のピットフォール—神経破格の存在
植松 明和
1
1まつもと医療センター臨床検査科
pp.831-835
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207628
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
運動神経伝導検査(motor nerve conduction study:MCS)を施行した際,同一神経刺激・同一筋導出において,遠位および近位刺激により導出された複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)の振幅は,遠位刺激CMAP振幅>近位刺激CMAP振幅となるのが通常である.ところが,近位刺激CMAP振幅>遠位刺激CMAP振幅となるケースがしばしば認められる.このような場合に,検査結果をそのまま提出していないだろうか? 実際はなぜ逆転してしまったのかを考える必要がある.今回は,遠位および近位刺激によるCMAP振幅が逆転したときにみられる検査手技のミスや上・下肢の代表的な神経破格であるMartin-Gruber吻合と副深腓骨神経について説明する.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.