増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
2章 目でみる 免疫染色良い例・悪い例
染色工程
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.1010-1015
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207339
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核染色の色出し強度による染色性比較
■色の位置関係と補色
色相環とは,スペクトルの色を波長の順に赤色から紫色まで並べ,赤色と紫色の光を種々に混合した色でスペクトルの両端をつないで連続した色の環を作ったものである(図1).対角線に位置する色調同士は“補色”と呼ばれる関係であり,互いの色調を引き立て合う相乗効果をもつ.つまり,補色関係にある色調同士でメリハリが生まれ,両者の色がはっきり認識できる.
免疫染色での核染色(カウンター染色)は,①背景の組織構築を把握するために行う,②免疫染色での陽性像を観察しやすくするために行うことが主な目的である.そのため,発色の色調を引き立てる性質をもつ“補色”の関係にあたる色調で核染色を行う必要がある.
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