技術講座 輸血
—step up編—クリニカルパスと自己血輸血
池田 敏之
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.110-120
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207056
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Point
●クリニカルパスは手術など一連の医療行為を標準化し時系列順に表示して,診療の実施記録や患者説明に用いるもので,医療の標準化,情報共有,インフォームド・コンセントだけでなく,実施した医療行為の評価や医療の質の向上のためにも有用である.
●クリニカルパスを自己血輸血療法の質の向上に用いるためには,適切なアウトカムを設定しそのバリアンス分析を行うことが重要である.
●自己血輸血におけるクリニカルパスのアウトカムは患者中心の輸血医療(PBM)の実現であると捉えることができる.
●現在使用されているクリニカルパスは,自己血輸血療法のうち自己血貯血に特化したものが多いが,将来的には自己血輸血の実施や輸血効果の評価,輸血後の適正な在庫管理まで含んだ,診療科・職種横断型の統合電子パスの開発が望ましい.
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