病気のはなし
パスツレラ感染症
荒島 康友
1
1日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野
pp.1110-1116
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206954
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Point
●ペット感染症は約30種類であり,パスツレラ症例数が最も多いと考えられます.パスツレラ感染症は,ペット感染症の指標ともいえる感染症です.
●本症はパスツレラ属菌による感染症で,ペットをはじめ哺乳動物の保菌率が著しく高率です.
●イヌ,ネコによる咬搔傷による感染(55%),呼吸器系の感染(27%),その他,身体各部位の感染があり,軽症例から死亡例まで存在しています.
●多くが非特異的症状で,検査・診断は検体からの本菌の分離です.そのため診断には医師に「パスツレラ感染症ではないか?」と疑ってもらう必要があります.
●β-ラクタム系を主に,多くの抗菌薬が有効です.
●予防は,①ペットに口を舐めさせない,②ペットと幼少児だけにしない,③ヒトの基礎疾患を管理する,④寝室にペットを入れない,です.
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