書評
組織病理カラーアトラス 第2版
伊東 恭子
1
1京都府立医大・分子病態病理学
pp.352
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206416
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病理学教育への情熱が結集された優れたカラーアトラス
病理学とは,①病気の原因を探り,②生体内に生じる病態の実情を究明し,③そのことを通じて病気の診断,さらに治療・予防に寄与することを目的とする学問分野である(p.2).病理学の壮大なミッションが三か条にして冒頭に提示されている.
さて,Rudolf Virchowによって提唱された細胞病理学Cellular Pathologieの概念は,近代医学の中で病理学の地歩を築き上げる上で著しい貢献をしたことは言を俟たないが,今や遺伝医学・分子生物学の長足の進歩を反映して,分子の言葉で病気が語られる新しい時代を迎えている.しかしながら,今日にあっても病理学の基本は,光学顕微鏡レベルでの形態学に基づいた病変の理解や診断にある.
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