Japanese
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増刊号 血液形態アトラス
Ⅱ部 造血器腫瘍以外
8章 白血球系
4 百日咳
Pertussis(whooping cough)
大金 亜弥
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1026-1027
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206199
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百日咳は,百日咳菌(Bordetella pertussis)の感染により,特有の痙攣性の咳発作(痙咳発作)を来す急性気道感染症である.世界的にみられる疾患で,いずれの年代層でも罹患しうるが,小児の感染が中心である.また,1歳以下の乳児,特に生後6カ月以下では重症化しやすく,死亡率が高い.そのため,百日咳ワクチンの接種が推奨されている.現在,わが国では百日咳ワクチンを含むジフテリア・百日咳・破傷風(diphtheria,pertussis,tetanus:DPT)三種混合ワクチン接種を,生後3カ月から受けることができる.
原因となる病原体は,グラム陰性桿菌である百日咳菌であるが,一部はパラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)の場合がある.感染経路は,鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染および接触感染である.臨床経過は3期に分けられる.まず,通常1週間程度の潜伏期を経て,感冒症状で始まり,次第に咳の回数が増加し,程度も激しくなる.これをカタル期と呼ぶ.その後,次第に特徴的な発作性痙攣性の咳(痙咳)を繰り返すようになり,2週間程度持続する.これを痙咳期と呼ぶ.発熱はない,もしくは微熱程度である.激しい発作は次第におさまり,2〜3週間で回復する.
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